前回→不思議体験「天国に行った友達との約束」
しつこく誘ってくれるAには、事情があるのかとは思ったのだけど、その日は本当に用事があった。
俺がはっきり断ると、Aは寂しそうに言った。
「そうか。そうだよね。○(俺の名前)には○の世界がもうあるんだよね。うん、分かった。突然、ゴメン。元気でね。」
「ああ、うん。本当ゴメンね。また連絡するからさ。じゃあね!」
そう言って電話を切る二人。
そのまま俺は、お楽しみ会の準備のために友達の家に出掛けた。
・・・そして、その日の夜のこと。
家の電話が鳴った。
そのときには、帰ってきていたお母さんが電話に出る。
電話を出たお母さんの表情は一瞬で曇り、俺の顔を見ている。
電話を切ったお母さんは暗い顔でこう俺に言った。
「あのさ、今日ね。Aくんが亡くなったんだって。」
え?
意味が分からなかった。
だって、Aとはさっき電話したばかりだし。
久しぶりの電話貰ったばかりだし。
俺は聞いた。
「亡くなったって、なんで?いつ?」
「今日の3時過ぎにね。学校の帰り道に、トラックに跳ねられて即死だったんだって。」
お母さんは涙声に変わったまま続けた。
「Aくんのお母さんが言うのよ。Aくんね、最近よく言ってたそうよ。【俺にとって一番の親友は○だ】って。それでね【将来一緒に会社作るんだ】って、言ってたそうよ。」
うちのお母さんは完全に泣き出していた。
Aが事故にあった3時過ぎというと、ちょうど俺がAから電話貰った時間だ。
あいつの言ってた「こっち来れない?」っていうのは、【あの世】って意味だったんだ。
だからお金はかからないって言ってたのか。
俺はてっきり、電車賃はAが負担するって意味だと思ってしまっていた。
それにAの奴。。
まだ一緒に会社作る話本気で考えていたのか。
四年のときに、二人で計画していたんだ。
将来は二人で会社作って大儲けしようなって。
それで、儲けた金でゲームやろうなって(笑)
あいつ。
馬鹿野郎だ。
でも、俺にとっても一番の親友はお前だったよ、ちくしょう。
何、死んでんだよ、馬鹿!
これじゃ、会社作れねえだろが。
このとき、俺は不思議と怖くなかったんだ。
友達にこの話をすると、
「それってAって子に道連れにあの世に連れて行かれそうになったってことだよね?超怖い!」
とか言われるんだけど、俺は少し解釈が違うんだ。
Aは純粋に俺と会社作る約束を守りたかっただけだったんだって。
だから、俺があの世に行けないと分かると、すんなり退いてくれた。
あいつは友達を道連れにするような奴じゃないって、俺が一番分かってるんだ。
・・・・・・今俺は、20歳になったぞ、A。
もうすぐ、約束通り起業する。
社名には、俺とお前のイニシャル入れるから。
で、稼いだ金で真っ先にゲーム買うぞ。
したら、お前の墓参り行くからよ。
待っとけよ。
<不思議体験「天国に行った友達との約束」>終わり
引っ越しました:友達との約束2
2013年9月25日水曜日
2013年9月8日日曜日
不思議体験「天国に行った友達との約束」
不思議体験「天国に行った友達との約束」
これは、小学生のころに体験した怖い話であり、不思議体験。
俺が小学四年生の夏だった。
大親友のAが、他の学校に転校してしまったのだ。
Aとは仲良しで、いつも一緒に遊んでいた。
一緒に虫捕ったり、ゲームしたり、子供ながら将来の大きな夢を語り合ったり。
だから、Aが転校してしまうと知ったときは本当に悲しかった。
最後は、お互いに泣きそうになるような別れ方だった。
会えなくなるわけじゃない。
たった、電車で3時間半の距離に行ってしまうだけなんだ。
お互いに、そう言い聞かせた。
・・・・・・その後は、最初のうちこそたまに電話したり手紙送りあったりしていたけれど、半年経ったころにはほとんど連絡を取り合うこともなくなってしまっていた。
悲しいことに、直接学校で顔を合わさないと、だんだんと疎遠になってしまっていたのだ。
そして、Aが転校して一年半くらい経ったころのある日のことだった。
俺が学校から家に戻ってみると、家の電話が鳴っているのが聞こえた。
プルルルルルーーー
鍵っ子で、両親共働きの俺の家には、誰もいない。
プルルルルルーーー
外から急いで鍵を開けて家の中に駆け込むと、その電話に出る。
プルルルルルーー ガチャ
「はい、もしもし!」
「あ、久しぶり。Aだけど。」
「・・・・?おーーー、Aーー!超久しぶり!元気してた?」
一年近く連絡取り合っていないせいで、一瞬誰だか分からなかったけど、連絡貰ってめっちゃテンション上がった。
やばい、たった1年位ぶりなのにめちゃくちゃ懐かしく感じるし、嬉しかった!
Aは言った。
「あのさ、突然だけど、今からこっち来れない?」
突然とんでもないことを言い出すな、こいつは。
「今からはさすがに無理だよー。今お母さんもお父さんもいないし、お金ないもの!」
お金のこともさることながら、小学生だった俺は、大人の指示なしで一人で電車の遠出をする自信もなかった。
「お金はかからないよ。」
「そんな、お金出して貰うの悪いから!今日は止めようよ。日曜とかでも良くない?」
「今日じゃなきゃダメなんだよ。」
突然電話をしてきたAは、わがままなことを言う。
こいつ、こんなにわがままだったっけ?
何か事情があるのかな?
まあたとえ、事情があったとしても、今日は本当にダメなんだ。
クラスの班ごとに劇を発表するというお楽しみ会が来週末にあって、俺は今から友達の家に行って準備しなくてはならなかった。
「A、ゴメン!今日、俺用事もあるしさ。また今度にしてよ。」
そう言うとAは寂しそうな声を出した。
続き→不思議体験「天国に行った友達との約束」
引っ越しました:友達との約束
これは、小学生のころに体験した怖い話であり、不思議体験。
俺が小学四年生の夏だった。
大親友のAが、他の学校に転校してしまったのだ。
Aとは仲良しで、いつも一緒に遊んでいた。
一緒に虫捕ったり、ゲームしたり、子供ながら将来の大きな夢を語り合ったり。
だから、Aが転校してしまうと知ったときは本当に悲しかった。
最後は、お互いに泣きそうになるような別れ方だった。
会えなくなるわけじゃない。
たった、電車で3時間半の距離に行ってしまうだけなんだ。
お互いに、そう言い聞かせた。
・・・・・・その後は、最初のうちこそたまに電話したり手紙送りあったりしていたけれど、半年経ったころにはほとんど連絡を取り合うこともなくなってしまっていた。
悲しいことに、直接学校で顔を合わさないと、だんだんと疎遠になってしまっていたのだ。
そして、Aが転校して一年半くらい経ったころのある日のことだった。
俺が学校から家に戻ってみると、家の電話が鳴っているのが聞こえた。
プルルルルルーーー
鍵っ子で、両親共働きの俺の家には、誰もいない。
プルルルルルーーー
外から急いで鍵を開けて家の中に駆け込むと、その電話に出る。
プルルルルルーー ガチャ
「はい、もしもし!」
「あ、久しぶり。Aだけど。」
「・・・・?おーーー、Aーー!超久しぶり!元気してた?」
一年近く連絡取り合っていないせいで、一瞬誰だか分からなかったけど、連絡貰ってめっちゃテンション上がった。
やばい、たった1年位ぶりなのにめちゃくちゃ懐かしく感じるし、嬉しかった!
Aは言った。
「あのさ、突然だけど、今からこっち来れない?」
突然とんでもないことを言い出すな、こいつは。
「今からはさすがに無理だよー。今お母さんもお父さんもいないし、お金ないもの!」
お金のこともさることながら、小学生だった俺は、大人の指示なしで一人で電車の遠出をする自信もなかった。
「お金はかからないよ。」
「そんな、お金出して貰うの悪いから!今日は止めようよ。日曜とかでも良くない?」
「今日じゃなきゃダメなんだよ。」
突然電話をしてきたAは、わがままなことを言う。
こいつ、こんなにわがままだったっけ?
何か事情があるのかな?
まあたとえ、事情があったとしても、今日は本当にダメなんだ。
クラスの班ごとに劇を発表するというお楽しみ会が来週末にあって、俺は今から友達の家に行って準備しなくてはならなかった。
「A、ゴメン!今日、俺用事もあるしさ。また今度にしてよ。」
そう言うとAは寂しそうな声を出した。
続き→不思議体験「天国に行った友達との約束」
引っ越しました:友達との約束
2013年9月3日火曜日
警備員・デパートの夜勤
警備員の怖い話・デパートの夜勤
これは、以前に某デパートで警備員の仕事をしていたAさんが体験したという怖い話。
そのデパートの警備員は24時間勤務。
仕事は毎日、とても忙しいものだった。
普段ほとんど日勤で働いていたAさんだったが、たまたまその日は夜勤に回された。
夜勤は以前やっていたことがあったのだが、昼夜逆転すると体調を崩しやすいため日勤に変えてもらっていたのだ。
だが、人手不足だからと頼まれると、どうにも断れない。
しぶしぶ、引き受けてしまったのだ。
しかも、普段必ず2人体制の夜勤の警備なのだが、その日はもう一人の警備員が高熱を出してしまいAさんは夜のデパートに一人きりになることになってしまった。
まあ、警備の仕事は慣れたもの。
夜に一人と言っても、怖がりではないからそれほど不安には思っていなかったという。
巡回の時間になり、懐中電灯を片手にいろいろ調べて回る。
ガスの元栓、ブレーカー。
巡回コースを見て回ったが、異常なしっと・・・
だが、その日はなんだか、どこからか人の視線のようなものを感じていた。
まあ、久しぶりの夜勤だし、今日は一人ということもあって、変に意識してしまっていることがあるのかもしれない。
Aさんは、それほど気にも留めなかった。
そして、2度目の巡回の時間。
またもや懐中電灯を片手に、デパート内を見て回るAさん。
ただ、ある場所に差し掛かったときに、どうにも嫌な感じがするのだ。
何と説明したら良いのか?
怖い夢を見たときの不安感とでも言おうか。
なんとも嫌な感じがする空間がある。
そういえば、1度目の巡回で感じた視線もここを通過したときから感じていた。
Aさんは、止めておけば良いのに、その辺りを念入りに調べてみることにした。
彼には、妙に仕事熱心で真面目な一面があったのだ。
そこは、デパートの婦人服売り場近くだったのだが、トイレに向かうための通路の暗闇で何か見えた気がした。
暗闇の中で、何かが動いたような?
Aさんは、その方向に向かってゆっくり歩き出す。
その空間自体嫌な靄のようなかかっている感じで、本当は怖かった。
それでも、近づくAさん。
懐中電灯を向けて目を凝らすと、確かに何かがいた。
それは、壁をゆっくりと登っている女だった。。。。
有り得ないことに、その女は壁を垂直に立ったまま歩行しているのだ。
ゆっくり、ゆっくり、壁を歩いて登る女・・・・
まるで、月面を歩いているかのようなスロー速度だったという。
あまりの光景に、腰を抜かすAさん。
恐怖で小さく悲鳴を上げてしまった。
「ヒィッ・・・・」
すると、その声を聞いたからか、女はピタリと立ち止まり、Aさんの方に体を向けた。
女の顔は、目がくり貫かれたように、ぽっかり穴が開いていたのだった。
もう、あまりの恐怖に、Aさんはその場を逃げ出してしまった・・・・
・・・・気がつくと、休憩室で震え続けていたという。
次の日の朝、同僚にその話をすると、以前働いていた男で、その壁を登る女の話をしていた者がいたというのだ。
その男は、壁を登る女を見てから、すぐに警備の仕事を辞めたのだとか。
なんでも、その男の場合、女に腕を掴まれて、引きずられたというのだ・・・・
あの女を見ているAさんからすれば、そんなことをされれば辞めて当然だと思ってしまった。
その後、Aさんは2度と夜勤は入れないようにしたという。
これは、あるデパートで実際に警備員が体験した怖い話である。
「警備員の怖い話・デパートの夜勤」終わり 引っ越しました:警備員の怖い話・デパートの夜勤
これは、以前に某デパートで警備員の仕事をしていたAさんが体験したという怖い話。
そのデパートの警備員は24時間勤務。
仕事は毎日、とても忙しいものだった。
普段ほとんど日勤で働いていたAさんだったが、たまたまその日は夜勤に回された。
夜勤は以前やっていたことがあったのだが、昼夜逆転すると体調を崩しやすいため日勤に変えてもらっていたのだ。
だが、人手不足だからと頼まれると、どうにも断れない。
しぶしぶ、引き受けてしまったのだ。
しかも、普段必ず2人体制の夜勤の警備なのだが、その日はもう一人の警備員が高熱を出してしまいAさんは夜のデパートに一人きりになることになってしまった。
まあ、警備の仕事は慣れたもの。
夜に一人と言っても、怖がりではないからそれほど不安には思っていなかったという。
巡回の時間になり、懐中電灯を片手にいろいろ調べて回る。
ガスの元栓、ブレーカー。
巡回コースを見て回ったが、異常なしっと・・・
だが、その日はなんだか、どこからか人の視線のようなものを感じていた。
まあ、久しぶりの夜勤だし、今日は一人ということもあって、変に意識してしまっていることがあるのかもしれない。
Aさんは、それほど気にも留めなかった。
そして、2度目の巡回の時間。
またもや懐中電灯を片手に、デパート内を見て回るAさん。
ただ、ある場所に差し掛かったときに、どうにも嫌な感じがするのだ。
何と説明したら良いのか?
怖い夢を見たときの不安感とでも言おうか。
なんとも嫌な感じがする空間がある。
そういえば、1度目の巡回で感じた視線もここを通過したときから感じていた。
Aさんは、止めておけば良いのに、その辺りを念入りに調べてみることにした。
彼には、妙に仕事熱心で真面目な一面があったのだ。
そこは、デパートの婦人服売り場近くだったのだが、トイレに向かうための通路の暗闇で何か見えた気がした。
暗闇の中で、何かが動いたような?
Aさんは、その方向に向かってゆっくり歩き出す。
その空間自体嫌な靄のようなかかっている感じで、本当は怖かった。
それでも、近づくAさん。
懐中電灯を向けて目を凝らすと、確かに何かがいた。
それは、壁をゆっくりと登っている女だった。。。。
有り得ないことに、その女は壁を垂直に立ったまま歩行しているのだ。
ゆっくり、ゆっくり、壁を歩いて登る女・・・・
まるで、月面を歩いているかのようなスロー速度だったという。
あまりの光景に、腰を抜かすAさん。
恐怖で小さく悲鳴を上げてしまった。
「ヒィッ・・・・」
すると、その声を聞いたからか、女はピタリと立ち止まり、Aさんの方に体を向けた。
女の顔は、目がくり貫かれたように、ぽっかり穴が開いていたのだった。
もう、あまりの恐怖に、Aさんはその場を逃げ出してしまった・・・・
・・・・気がつくと、休憩室で震え続けていたという。
次の日の朝、同僚にその話をすると、以前働いていた男で、その壁を登る女の話をしていた者がいたというのだ。
その男は、壁を登る女を見てから、すぐに警備の仕事を辞めたのだとか。
なんでも、その男の場合、女に腕を掴まれて、引きずられたというのだ・・・・
あの女を見ているAさんからすれば、そんなことをされれば辞めて当然だと思ってしまった。
その後、Aさんは2度と夜勤は入れないようにしたという。
これは、あるデパートで実際に警備員が体験した怖い話である。
「警備員の怖い話・デパートの夜勤」終わり 引っ越しました:警備員の怖い話・デパートの夜勤
2013年9月2日月曜日
祟り「悪魔が見える」
ホラー体験・祟り「悪魔が見える」
60歳になる幸彦さんは、ある日を境に「僕には悪魔が見える」と言い出したそうだ。
最初は家族に言っていたのだが、そのうち友達やご近所さんにも言うようになってきた。
それが、冗談で言っている感じではないのだ。
真剣な顔をして、
「僕には、悪魔が見える・・・・」
と言っているのだった。
ときに、幸彦さんは怯えているようにも見えたと言う。
日に日におかしなことを言うことが増えたため、家族は心配した。
病院にも何度も連れて行ったが、一向に良くならず。
まったく良くならないどころか、日が経つごとに悪化していく幸彦さんを見かねた家族は、ある日知り合いの紹介で霊能者に見てもらうことになる。
その霊能者は、幸彦さんを見るなり、
「あなた、いったい何をしてきたのですか?!」
と驚いていたという。
霊能者には、はっきり見えていたのだ。
幸彦さんのそばには、異形の禍々しい悪魔のような者がいることを・・・・
最初こそ、知らぬ存ぜぬを通そうとした幸彦さん。
でも、霊能者の言葉を聞いて、喋るしかなかった。
「あなた、このままでは取り殺されますよ・・・・」
そう言われては、助かるために話すしかなかったのかもしれない。
幸彦さんは、若い頃から、あまり良い行いをしてこなかった。
学生時代は、弱い者をいじめ、年頃になれば女遊びをして妊娠させおろさせたことも何度もあったと言う。
人を傷つけてばかりの生き方。
結果、長年積み重ねた負の念が蓄積していってしまい、それが大きな力を持ってしまった。
大きな力は、やがて具現化してしまったのだ。
負の念の具現化したものは、文字通りこの世の者ではないような不気味な姿をしていて、悪魔に見えたとしてもおかしくはなかった。
霊能者は言った。
「私にはこれを止める術がありません。あなたが、自分のしてきた悪行を認め、悔い改めれば、もしかすると助かるかもしれない。」
そして、幸彦さんのいない場所では、こうも言っていたという。
「負の念が、あそこまで大きな力を持ってしまうと、おそらくもう何をしても止めることはできないでしょう。彼は散々苦しんだ上殺されてしまうでしょう。本当は、もっと早い段階で気がつかねばならないことなのに・・・・」
霊能者の言うとおり、幸彦さんはそれから3年後に亡くなった。
その3年間は、あまりに悲惨すぎる人生だったという。
もがき苦しみ、怯え、最後は自ら死を求め続けていたのだとか。
祟りというものが、この世の中にあるのかどうかはわからない。
でも、これはまさに負の念が長年積み重なって、悪魔ような姿の祟りになったのではないだろうか。
この話が実話のホラー体験だと言うから、ほんとうに怖い話である。
<ホラー体験・祟り「悪魔が見える」>終わり
引っ越しました:悪魔が見える
60歳になる幸彦さんは、ある日を境に「僕には悪魔が見える」と言い出したそうだ。
最初は家族に言っていたのだが、そのうち友達やご近所さんにも言うようになってきた。
それが、冗談で言っている感じではないのだ。
真剣な顔をして、
「僕には、悪魔が見える・・・・」
と言っているのだった。
ときに、幸彦さんは怯えているようにも見えたと言う。
日に日におかしなことを言うことが増えたため、家族は心配した。
病院にも何度も連れて行ったが、一向に良くならず。
まったく良くならないどころか、日が経つごとに悪化していく幸彦さんを見かねた家族は、ある日知り合いの紹介で霊能者に見てもらうことになる。
その霊能者は、幸彦さんを見るなり、
「あなた、いったい何をしてきたのですか?!」
と驚いていたという。
霊能者には、はっきり見えていたのだ。
幸彦さんのそばには、異形の禍々しい悪魔のような者がいることを・・・・
最初こそ、知らぬ存ぜぬを通そうとした幸彦さん。
でも、霊能者の言葉を聞いて、喋るしかなかった。
「あなた、このままでは取り殺されますよ・・・・」
そう言われては、助かるために話すしかなかったのかもしれない。
幸彦さんは、若い頃から、あまり良い行いをしてこなかった。
学生時代は、弱い者をいじめ、年頃になれば女遊びをして妊娠させおろさせたことも何度もあったと言う。
人を傷つけてばかりの生き方。
結果、長年積み重ねた負の念が蓄積していってしまい、それが大きな力を持ってしまった。
大きな力は、やがて具現化してしまったのだ。
負の念の具現化したものは、文字通りこの世の者ではないような不気味な姿をしていて、悪魔に見えたとしてもおかしくはなかった。
霊能者は言った。
「私にはこれを止める術がありません。あなたが、自分のしてきた悪行を認め、悔い改めれば、もしかすると助かるかもしれない。」
そして、幸彦さんのいない場所では、こうも言っていたという。
「負の念が、あそこまで大きな力を持ってしまうと、おそらくもう何をしても止めることはできないでしょう。彼は散々苦しんだ上殺されてしまうでしょう。本当は、もっと早い段階で気がつかねばならないことなのに・・・・」
霊能者の言うとおり、幸彦さんはそれから3年後に亡くなった。
その3年間は、あまりに悲惨すぎる人生だったという。
もがき苦しみ、怯え、最後は自ら死を求め続けていたのだとか。
祟りというものが、この世の中にあるのかどうかはわからない。
でも、これはまさに負の念が長年積み重なって、悪魔ような姿の祟りになったのではないだろうか。
この話が実話のホラー体験だと言うから、ほんとうに怖い話である。
<ホラー体験・祟り「悪魔が見える」>終わり
引っ越しました:悪魔が見える
2013年9月1日日曜日
雨の一夜 貞子のような女
雨の一夜 貞子のような女
雨の日のことだった。
その日は、一晩中雨が降っていた。
高校生だった俺は、次の日が休みということもあって夜更かしをしていたんだ。
夜中、喉が渇き、食堂の冷蔵庫を開けてみる。
飲み物が何もない。
くそ、コーラでも買いに行くか。
面倒だったけれど、喉の渇きには勝てずに、家の近所にある自動販売機まで行くことに。
雨の中、本当にめんどくさい。
時間は確か、深夜1時くらいだった。
傘をさして自動販売機まで行くと、自販機の横には傘もささずにずぶ濡れの女が1人、ぽつんと立っていた。
こんな真夜中に、たった一人傘もささずに立っているその女は、俺の目にはかなり不気味に映った。
なんだ、コイツ・・・・
気持ち悪い・・・・
女は、黒髪のロング、少しだけ薄汚れたような白いワンピースを着ていて、まるで「ホラー映画・リング」の貞子のようだった。
その貞子のような女は、下を向いて雨に濡れたままピクリとも動かない。
怖っ、さっさとコーラ買って帰ろう。
俺は、500ミリのコーラを1本買うと、足早に自宅に戻り施錠した。
ああ、怖えぇ。
不気味にもほどがある。
俺は、自宅に戻ると安心し、早速買ったばかりのコーラを飲みながら自室に戻った。
部屋に戻ると、1分もしないうちに部屋に置いてある電話の子機に内線電話がかかってきた。
時計は深夜1時15分をさしている。
両親は眠っていて、今家で起きているのは俺だけのはずだ。
内線は、食堂に置いてある親機からかかってきているものだった。
俺は、恐る恐る電話に出てみた。
「・・・・・・・はい、もしもし?」
「・・・・・・・・・・・・・・・ガチャ・・・・・・・・・ツー・・・ツー・・・」
切れた。
でも、誰かが電話してきたこと間違いなさそうだった。
誰だ?
食堂には誰もいないはずだぞ。
もしかして、泥棒が入って、何かのはずみに間違えて電話機に触ってしまったとか?
俺は、あわてて食堂に向かった。
食堂に入り、電気をつけて隈なく見て回ったが、誰もいない。
さっきの内線電話は何だったのだろうか・・・・?
俺は、部屋に戻った。
そして、部屋の扉を開けてみて、絶叫した。。。。
部屋には、さっき自販機の横で見かけた貞子のような女がいたのだから・・・・
「うわあぁぁぁわぁあぁああーーーーーー!!!!」
恥ずかしながら、俺は尻餅をついてしまい、腰が抜けたかように手だけで這い蹲りながら、両親の寝ている部屋に向かった。
俺が、両親を起こすことなく、さっきの俺の叫び声を聞いた父さん母さんは、何事かとすぐに廊下に飛び出してきていた。
・・・・今見たことを、早口でざっと説明し、3人で俺の部屋を見に行く・・・・
部屋には、誰もいなかった。
先ほど見た貞子のような女は、完全に消えていた。
ただ、俺の部屋の中には、まるで雨が吹き込んだかのようにびっしょりと濡れていたのだった。
窓は開けていなかったのに。。。。
何も盗られていないことや、家中の鍵が壊されてもいないし開けられてもいないことから、警察へ通報することはなかった。
もし、通報してもおそらく無駄だろうということは、俺自身なんとなくわかっていた。
あの、貞子のような女は、おそらく人間ではないのだから・・・・
これは、高校のころの雨の一夜に体験した怖い話だ。
「雨の一夜 貞子のような女」終わり
引っ越ししました:雨の一夜 貞子のような女
雨の日のことだった。
その日は、一晩中雨が降っていた。
高校生だった俺は、次の日が休みということもあって夜更かしをしていたんだ。
夜中、喉が渇き、食堂の冷蔵庫を開けてみる。
飲み物が何もない。
くそ、コーラでも買いに行くか。
面倒だったけれど、喉の渇きには勝てずに、家の近所にある自動販売機まで行くことに。
雨の中、本当にめんどくさい。
時間は確か、深夜1時くらいだった。
傘をさして自動販売機まで行くと、自販機の横には傘もささずにずぶ濡れの女が1人、ぽつんと立っていた。
こんな真夜中に、たった一人傘もささずに立っているその女は、俺の目にはかなり不気味に映った。
なんだ、コイツ・・・・
気持ち悪い・・・・
女は、黒髪のロング、少しだけ薄汚れたような白いワンピースを着ていて、まるで「ホラー映画・リング」の貞子のようだった。
その貞子のような女は、下を向いて雨に濡れたままピクリとも動かない。
怖っ、さっさとコーラ買って帰ろう。
俺は、500ミリのコーラを1本買うと、足早に自宅に戻り施錠した。
ああ、怖えぇ。
不気味にもほどがある。
俺は、自宅に戻ると安心し、早速買ったばかりのコーラを飲みながら自室に戻った。
部屋に戻ると、1分もしないうちに部屋に置いてある電話の子機に内線電話がかかってきた。
時計は深夜1時15分をさしている。
両親は眠っていて、今家で起きているのは俺だけのはずだ。
内線は、食堂に置いてある親機からかかってきているものだった。
俺は、恐る恐る電話に出てみた。
「・・・・・・・はい、もしもし?」
「・・・・・・・・・・・・・・・ガチャ・・・・・・・・・ツー・・・ツー・・・」
切れた。
でも、誰かが電話してきたこと間違いなさそうだった。
誰だ?
食堂には誰もいないはずだぞ。
もしかして、泥棒が入って、何かのはずみに間違えて電話機に触ってしまったとか?
俺は、あわてて食堂に向かった。
食堂に入り、電気をつけて隈なく見て回ったが、誰もいない。
さっきの内線電話は何だったのだろうか・・・・?
俺は、部屋に戻った。
そして、部屋の扉を開けてみて、絶叫した。。。。
部屋には、さっき自販機の横で見かけた貞子のような女がいたのだから・・・・
「うわあぁぁぁわぁあぁああーーーーーー!!!!」
恥ずかしながら、俺は尻餅をついてしまい、腰が抜けたかように手だけで這い蹲りながら、両親の寝ている部屋に向かった。
俺が、両親を起こすことなく、さっきの俺の叫び声を聞いた父さん母さんは、何事かとすぐに廊下に飛び出してきていた。
・・・・今見たことを、早口でざっと説明し、3人で俺の部屋を見に行く・・・・
部屋には、誰もいなかった。
先ほど見た貞子のような女は、完全に消えていた。
ただ、俺の部屋の中には、まるで雨が吹き込んだかのようにびっしょりと濡れていたのだった。
窓は開けていなかったのに。。。。
何も盗られていないことや、家中の鍵が壊されてもいないし開けられてもいないことから、警察へ通報することはなかった。
もし、通報してもおそらく無駄だろうということは、俺自身なんとなくわかっていた。
あの、貞子のような女は、おそらく人間ではないのだから・・・・
これは、高校のころの雨の一夜に体験した怖い話だ。
「雨の一夜 貞子のような女」終わり
引っ越ししました:雨の一夜 貞子のような女
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