2013年8月31日土曜日

奇妙な電話番号 あの世との交信

怖い話の実話・奇妙な電話番号 あの世との交信

これは、佐藤さんが十数年前に体験した実話の怖い話である。

佐藤さんは、ある日の夜中に、ベッドの上に寝転がり自分の携帯を何の気なしにいじっていた。

自分の送受信したメールを見たり、電話帳を見たり・・・・

と、電話帳を見ていたそのとき、まったく登録した覚えのない番号が入っていた。

登録した覚えのない番号が電話帳に入っているということは、もしかするとそう珍しいことではないかもしれない。

でも、佐藤さんの場合、もしも自分で登録したのであれば、絶対に記憶に残るようなものなのだ。

というのも、その電話帳登録の名前が、「あの世へとの交信」だったのだ。。。。

あの世との交信だ?

そんな番号登録した覚えはないぞ。

いかにも、友達とふざけて登録しそうなネーミングだが、そんな記憶はまったくない。

普通なら、こんな奇妙な電話番号「あの世との交信」なんて、無視するか、気味悪がって削除してしまうことだろう。

でも、佐藤さんはそのとき、興味が湧いてしまった。

「なんか、面白そうだぞ。」

と独り言をつぶやくと、その登録された電話番号へ発信してしまったのだ。

当時はまだ、ワン切り業者や架空請求業者という事件などはあまり起きていなかった時代。

知らない番号へ電話をかけることが、それほど危険だと思われていなかった時代なのだ。


電話をかけてみると、


プルルルルルーーーー


と呼び出し音が鳴る。


カチャ


誰かが電話に出たようだ。


佐藤さんは、声をかける。


「もしもし?」


「もーし・・・」


「もしもし?」


「もーし・・・・」


「あのそちらはどなたですか?」


佐藤さんは、尋ねた。



「もーし・・・・」


相手は、「もーし・・・・」とばかり言っている。


ただ、少しだけ奇妙なのだ。


相手の声が、一度途切れるたびに、まったくの別人になってしまうのだ。


最初は、若い女の人、次が老人、次が幼い子供、次が中年くらいの男、と次から次へと、「もーし・・・」の声が変わる。


かなり不気味だ。


「あのー、そちらはどなたですか?」


佐藤さんがもう一度聞くと、相手に質問を質問で返された。


「もーし・・・・・佐藤さん・・・・・あなたも・・・・・こちらに来ますか?」


ちょっと待て。

もしも、相手が本当にあの世の住人で、「こちらに来ますか?」ということは、俺をあの世に引きずり込むってことか?!

それに、なんで俺の名前知ってんだよっ?!


急激に怖くなってしまった佐藤さんは、


「俺は、そっちに行きません!」


というと、その電話を切ったのだと言う。


電話帳は、その直後に消去した。


・・・・それから、5年経ったある日のこと。


佐藤さんは、知り合いの紹介で霊能者という方にお会いした。


その方に、この奇妙な電話番号とあの世との交信の話をすると、霊能者の方もびっくりしていたという。

そして、こう言われたそうだ。

「佐藤さん、良かったですねー。」

「え?なんでですか?」

「その電話、おそらくあの世との交信でしたよ。」

「ええ?やっぱり?」

「はい。あの世の人はね。昔から、{もしもし}と言えないとされているんですよ。だからどうしても{もーし}と言ってしまうんです。」

「・・・・・・・・(恐怖で絶句)」

「相手側が{こちらに来ますか?}と聞いてきたんですよね?」

「・・・・・・・(黙ってうなずく)」

「もしそれに{うん}」と返事したり、無視したりすれば、あなたは今頃生きていないでしょうね。{そっちに行きません}と言って通話を切ったからこそ、今も生きていられるのだと思いますよ。」


佐藤さんは、この話を聞いておしっこをちびってしまうくらい、怖くて怖くて仕方なかったという。


これが、佐藤さんが体験した怖い話の実話だと言うから、世の中には恐怖体験というのが実在するのだな、と思ってしまう・・・・



「怖い話の実話・奇妙な電話番号 あの世との交信」終わり

引っ越しました:奇妙な電話番号

2013年8月30日金曜日

洒落にならないくらい怖い話「偽りの恋人」

洒落にならないくらい怖い話「偽りの恋人」

これは、何年か前に実際に体験した洒落にならないくらい怖い話。

当時、俺はバイトで生計を立てていた24歳。

そして、2歳下の彼女と付き合っていた。

ある日のこと。

その日は、バイトが急に3時間半も早上がりできることになって、ラッキーっと思いながら家に帰った。

自宅アパート前に着くと、彼女が俺の部屋の前で待っていた。

突然来るなんて珍しい。

前もって一言言ってくれればいいのに。

「おう、どうしたー?」

「あ、おかえり。今日、ゆうちゃんと一緒に行きたいところがあって。」

俺と行きたいところ?

どこだろう?

まあ、今日はバイトがなくなったせいで、時間はたっぷりある。

「いいよ。どこ行きたいの?」

と、いうことで二人で出かけることとなった。

行き先については教えてくれない。

なんでも、「着いてからのお楽しみ」なのだという。

ふーん、ま、いっか。

どうせ暇だったし。

俺たちは、電車を乗り継いでだいぶ遠くまで来ていた。

こんなところに何があるのやら。

電車を降りると、今度はよく分からない山のほうに向かって、彼女は歩き出す。

「おいおい、ホント、どこまで行くんだよ?行き先くらい教えてよ。」

そう言っても、

「だーめ。すっごく良い場所なの!ゆうちゃんも、絶対喜ぶからそれまで楽しみにしていて。」

と返されてしまう。

うーん、そこまで言われると、こちらも楽しみにしていたほうが良いのだろう。

黙って、黙々と歩く。

山道に差し掛かったあたりで、俺は無性におしっこに行きたくなってしまった。

トイレは周りになさそうだ。


いいや。

立ちションしちまえ。

こういうとき、男は楽で良い。

「悪い、俺ちっとションベン!」

彼女に声をかけると、俺は茂みの奥へ。

・・・・・・・・フー。

大量のションベンを放出し、一息つく。


そのとき、俺の携帯が鳴った。

ポケットから携帯を取り出し、液晶を見てみると、そこには彼女の名前が。

ん?

そこまで長い時間待たせたつもりはないけど、待ちきれずに電話してきたのか?

俺は通話ボタンを押して、電話に出た。

「もしもし、どうした?」

「あ、ゆうちゃん?・・・あれ?やけに静かだけど、そこどこ?」

何をわけの分からんことを言っているんだ?

「え?ここ?ここは、どこぞの茂みだ。すぐそっち戻るから。」

俺が、通話を切ろうとすると、受話器から彼女のおかしな言葉が聞こえてくる。

「え?今から、うち来るの?」

意味が分からないぞ。

「あのな。お前が連れて行きたいところあるって言うから、こんな遠くまで来てるのに、意味分からないこと言ってからかうのはやめてくれ。」

すこしだけ、腹のたった俺は強めに言った。

すると彼女は、すっとんきょうな声を出す。

「えー?なに言ってるの?私、ゆうちゃんのこと連れて行きたい場所なんてないよ。」

え?

どういうことだ?

俺は、その通話を切らないまま、さきほど彼女を待たせていたはずの山道へと戻る。

誰もいない。

彼女の姿はない。

どういうことだ?

携帯からは彼女の声。

「もしもし、ゆうちゃん?もしもしー?」

さっきまで一緒にいたはずの彼女。

でも、携帯で話している彼女は、俺をどこかに連れて行こうとはしていないという。

「もしもし、あのさ。お前、今どこにいるんだ?」

「え?私は家だよ。」

今通話中の彼女は、自分の家にいるのだという。

ここは、いったいどこだ?

なんで、こんな山道に連れてこられたんだ?

俺は誰を信じたらいいんだ・・・・?


その瞬間、あることに気がつき、俺は全身にゾッとするものを感じた。


そいえば、さっきまで一緒にいた彼女は、なんで俺がバイトを早くあがれたことを知っていたんだ?

誰にも言っていないのに。

3時間半も早上がりできた日。

本来、その時間は俺がバイトをしていることを知っている彼女が、部屋の前で待っているなんて不自然すぎないか?


そう思ったとき、俺の真後ろで声がした。


「ゆうちゃーん、どこまでおしっこに行ってたの?早く行こう!」


俺の後ろには、にこやかな笑顔の彼女がいた。


自然な笑顔なのだが、俺にはこの上ない怖い笑顔に感じた。


おそらく、本物の彼女は今通話中の彼女だろう・・・・


こいつ、誰なんだよ・・・・・?


俺は、気が狂いそうな恐怖の中、目の前にいる彼女を無視して走り出した。


こいつは、姿形は彼女だけど、きっと人間じゃない。


こいつについて行ったら、俺は取り殺されるだろう・・・・


もう、無我夢中で走った。


怖くて怖くて、本当にパニック寸前だった・・・・


・・・・・・・・・気がつくと、俺は駅にいた。

心臓は破裂しそうなくらいバクバク言っているし、肺も破れてしまうくらい息が切れていた。



田舎の駅だから、人は少ないけれど、人の歩いている姿を見てどれだけ安心できたことか。


俺は、涙を浮べながらも、自分の住んでいる駅に向かって電車に乗った。。。。



・・・・・・・・自宅に帰り着き、本物の彼女に電話し、事情を説明すると、絶句していた。


こんな洒落にならないような怖い話を、にわかには信じられないようだった。。。。



あの時以来、俺は少しだけ人間不信になってしまった。


今目の前にいる人間が、本当に自分の愛する人なのか・・・・?


それは、偽りの恋人や家族ではないのだろうか・・・・?


そう思わずにはいられないのだ。


これは、俺が実際に体験した洒落にならないくらい怖い話しだから。



<洒落にならないくらい怖い話「偽りの恋人」>終わり

引っ越しました:彼女が部屋の前に

2013年8月29日木曜日

バンジージャンプの妖怪

怖い話・バンジージャンプの妖怪

大学のサークル仲間で、旅行に行った時の話。

途中、ある観光地で、バンジージャンプを体験できるというところがあり、みんなで挑戦してみることに。

記念にと、一人一人が飛ぶシーンを、ビデオカメラで撮影していた。

で、順番は田中の番になった。

田中は、サークル仲間の中でお調子者のムードメーカー。

「バンジージャンプ?全っ然、怖くないから!楽勝!」

と、余裕の笑みのまま飛んだ。

だが、飛んだ途端、田中は情けない声を出し続けた。


「うわぁあぁあぁああーーーーー、誰か、おい、誰か、たす。助けて・・・助けてーええーーーー!!・・・・・た・・・す・・け・・・」


みんな大爆笑。

フリだったのだ。


「怖くない、怖くない」

と言いながら、怖がるというフリ。

お笑い芸人さんが良くやる手だけれど、これがまた盛り上がる。

大いに笑わせてもらった。

普段からふざけていて、根っからのお調子者といった田中だけれど、今日はやけにボケがきれている。


演技も上手だった。


バンジーし終わった田中は、ガクガク震えていて、まだ演技していた。


みんな、ニコニコしながら拍手で彼を向い入れる。


でも、彼はおかしなことを言い出したんだ。。。。


「・・・・誰かが、俺のことを羽交い絞めにして、殺そうとした・・・・」


意味がわからない。

これも、ボケなのか?

みんながニコニコしてると、

「お前ら、なに笑ってるんだよ!俺は死にかけたんだぞ!」

真剣に言っているけど、田中の場合、どこまでがボケなのか分かりづらい。

その後は、ずっと黙りこくっている彼を見て、今までの田中の怖がりようはふざけていたんじゃないのでは?という発想がみんなの頭に浮かぶ。


でも、言っている意味がわからないのだ。


羽交い絞めにして殺そうとした?


誰もそんなことしてない。

第一、バンジーは一人で飛ぶものだ。


誰も彼に触れもしないじゃないか。


そう思っていたみんなは、とりあえず機嫌の悪い田中を放置することにした。


その後。。。。


無事に楽しい旅行も終わり、大学に戻ってきた。


で、旅行で撮った写真やビデオをまとめていると、ビデオカメラの映像におかしなものが映っていることに一人の女子が気がついたのだった。


問題のシーンは、田中がバンジージャンプしているところだった。


彼が飛んだ直後、どこから現れたのか蛇のような生き物が田中の体に巻きついていた。


そして、不気味なことにその蛇のような生き物の顔は人間だったのだ。


蛇の体に人間の顔・・・・


なにより、肉眼では見えなかったその存在。


幽霊?


妖怪?


おそらく、妖怪と言った方が良いのかもしれない。



その蛇のような妖怪は、バンジーで飛んできる田中の体に巻きついていたのだ。


まるで、彼を圧死させようとしているかのように、強く巻きついていた。


この映像を見ていたその場の人間は、みな全身に鳥肌。


恐怖引きつった顔をしていた。


どうして良いのか分からずに、パニックを避けるため他言するのはやめようという話でまとまった。



あの蛇女のような妖怪がなんだったのか分からない。


目的も不明だ。


だが、その映像が非常に怖いものであったことだけは事実だった・・・・



「怖い話・バンジージャンプの妖怪」終わり


引っ越しました:バンジージャンプの妖怪

2013年8月28日水曜日

温泉旅館の異界2

前回→温泉旅館の異界・怪談・怖い話

この男の子は、俺をからかっているのか?

でも、真に迫っている。

男の子は、俺の手を握ると、階段のところまでついてきてくれた。

そして、

「いい?今すぐに、元いた場所に戻って。」

と言いながら、俺の手に小さな石を握らせた。

「こっちにいる間は、この石を離してはだめだからね。それじゃ、早く行って。」

そう俺をせかす。

意味が分からないけれど、男の子があまりに真剣なものだから、俺は言われたとおり、とりあえず部屋に戻ることにした。

ジュースは部屋からフロントに電話して手に入れてもいい。

なにより、さっきから付きまとっている謎の違和感と、今の少年の言動がリンクしてしまい、俺は少なからず恐怖を感じてきてしまっていたのだ。

階段を上がると、部屋に戻るために廊下を歩く。

すると、どこからか声が聞こえてきた。

「・・・・・・・・・おかしくないか・・・・・おかしくないか・・・・・・・・・何かが紛れ込んでいる・・・・・・・・・おかしくないか・・・・・・・・・おかしくないか・・・・・・・・・何かが紛れ込んでいる・・・・・・・・・」

低くて不気味な声。

そして、

「・・・・・・・・さがせ・・・・・・・・・・紛れ込んだ何かをさがせ・・・・・・・・・・・さがせ・・・・・・・・さがせ・・・・・・・紛れ込んだ何かを・・・・・・・ころせ・・・・・・・」


はっきりと聞こえた。

俺は見つかったら殺されるのか??


足が震えているのが分かる。


でも、立ち止まってはいられない。

走りたかったけれど、走れば足音が聞こえてしまうかもしれない。


俺は、男の子にもらった石を強く握り締めて、部屋に向かった。


・・・・・・・・やっとのことで部屋にたどり着いた俺は、布団の中にもぐると震え続けた。

怖い。。。。

怖い。。。。

誰か助けてくれ・・・・・・・・・

そして、いつの間にか気を失うように眠ってしまっていた。

明るい光で目が覚める。

朝?

戻れたのだろうか?

俺は、恐る恐るは部屋を出てみると、廊下には旅館のスタッフさんが働く姿が見えた。

ああ、戻れたんだ、と言う安心感の後に、「もしかして、あれは夢だったのではないか?」という疑問も湧いてきた。


うん、昨日のあれは夢だった可能性があるな。


俺は、部屋に戻り布団の上を見た。

すると、そこには昨晩男の子に貰った石が目に入ったのだった。


あれは夢ではなかったんだ。


俺は一体、どこに行ってしまっていたのだろうか?


あれは、異世界だったのだろうか?


よく分からない。


一つ言えることは、戻ってこられて良かった。


もしも、あの場所にい続けていたら、どうなってしまったことか。


その後の俺なりの解釈になるのだが、あの男の子がくれた石は、こっちの世界に戻るために必要なものだったのではないだろうか。


俺は、あの男の子に救われたのだと、今でも感謝している。


これはすべて、俺が実際に体験したゾッとする怪談であり怖い話だ。


温泉旅館の異界・怪談・怖い話」終わり

引っ越しました:温泉旅館の異界2

2013年8月27日火曜日

温泉旅館の異界

温泉旅館の異界・怪談・怖い話

これは、数年前に温泉旅館に泊まったときに体験した怪談であり怖い話だ。

一人旅が好きな俺は、群馬のとある温泉旅館に泊まった。

とてもよい場所で、町は良い所だし、旅館のサービスはいいし、温泉も申し分ないしで、満足のいくものであった。

夜になり、敷かれた布団に横になると、旅の疲れからかいつの間にか眠ってしまっていた。

・・・・どれくらい眠っただろうか。

ふと目が覚めた俺は、もう一度眠ろうと寝返りを打つ。

だが、今度は一向に眠れない。

3度目の寝返りを打ったときに、

「いいや、このまま起きてしまおう。」

と思い直す。

時計を見ると、深夜1時。

2時間ほど眠っていたらしい。

立ち上がり、部屋の電気をつける。

ん?

俺は、よく分からない違和感を覚えた。

部屋は先ほどと変わらないはずなのだけれど、どこか様子がおかしい気がする。

うまく説明できないけれど、おかしいのだ。

俺は、のどが渇いていることに気がつき、部屋の外の自動販売機までジュースを買いに行く。

部屋を出て廊下を歩いてみると、感じていた違和感はさらに強まった。

なんだ?なんだ?

廊下を歩いても、自販機が見当たらない。

それに、廊下の電気もやけに暗い。

あれ?

いくら歩いても、自販機がないな。

そのまま歩き続け、旅館のフロントまで来てしまった。

フロントには誰もいない。

電気もすべて消えている。

そういえば、まったく人の気配がないのが気になる。

従業員も皆眠ってしまったのだろうか?

暗い玄関口で、自販機を探していると、後ろから声がした。

振り返ってみると、10歳くらいの男の子がびっくりしたような顔でこちらを見ている。

ああ、人がいた。

良かった・・・・

でも、こんな深夜にこんな少年が何してるんだ。

俺が口を開く前に、男の子が話しかけてきた。

「お兄ちゃん。。。こんなところで何してるの?」

「え?のどが渇いたから、ジュースを買おうと。。。」

俺が話し終わらないうちに男の子は、会話を被せるように質問してくる。

「そういう意味じゃないよ。なんで、こんな場所に来たのかってこと!」

何を言ってるんだ、この子は?

「あのね、俺は自動販売機探してるんだよ。」

「違う違う。お兄ちゃんは、ここに来てはいけない人だよ。早く戻って!」

言っている意味が分からない。

男の子はなおも続ける。

「ねえ、ボク以外の者にまだ会ってない?」

「・・・え?あ、うん。起きてから、会ったのはキミが初めてだよ。」

「良かった。。。じゃあ、すぐに戻って。そうしないと、もう2度と戻れなくなるから。」

この子の言っている意味が分からない。


でも、俺はこの言葉を聞いて、正直ゾッとせずにはいられなかった。


続き→温泉旅館の異界・怪談・怖い話2

引っ越しました:温泉旅館の異界

2013年8月25日日曜日

リゾートバイトの怖い話「失踪」2

前回→リゾートバイトの怖い話「失踪」

たった一部屋掃除するだけで、日給が2千円上乗せされることに、喜びしか感じていなかった二人。

はっきり言って、ラッキーだ。

現に、仕事自体とても楽なものだった。

オーナーとの約束通り、1人が使っていない部屋を掃除し、もう1人はドアを開けて廊下で待機する。

たったこれだけの仕事。

美咲さんとサキちゃんは、掃除と見張りを日替わりで交互に行った。

実際にやってみても、とても美味しい仕事内容だった。

どんなに忙しいときでも、この仕事をするときだけはオーナーもとても協力的なのだ。

何かオーナーに頼まれごとをされたときでも、

「あ、美咲ちゃんたち、これから×××号室の掃除に行くの?じゃあ、今のお願いキャンセルでいいよ。他の人にやってもらうから。美咲ちゃんとサキちゃんは、×××号室の掃除を優先的にやってね。」

と、やけに協力的で、助かっていたくらいだった。。。。

でも。

ある日のこと。

その日は、ホテル内がやけに混雑していて、人手が足りていなかった。

それでも、×××号室の清掃はしなくてはならない。

ころあいを見計らって、×××号室の清掃へと向かう美咲さんとサキちゃん。

その日の掃除は順番的に、サキちゃんだった。

サキちゃんが室内の清掃をしている間、美咲ちゃんは扉を開けて廊下で待機。

5分ほど経過しただろうか。

廊下にいた美咲さんは、お客さんに話しかけられた。

人手不足で、サービスがしっかりと回っていなかったのかもしれない。

お客さんからは、ちょっとしたクレームをもらい、美咲さんは神妙にそれを受け止め、サービス不足をひたすら謝っていた。

その間、×××号室の扉は閉めてしまっていた。

怒っているお客さんを前にして、清掃中の扉を開け放しにしているのは、失礼かと考えたのだった。

美咲さんにとって、、×××号室の扉を開けておくことが、そこまで大事なことだとも考えていなかったのだ。

彼女の対応の良さからか、お客さんの怒りはすぐにおさまり、部屋に戻っていった。

美咲さんは、お客さんの姿が見えなくなると、すぐに×××号室の扉を開けた。

あれ?

さっきまで、掃除機をかけていたサキちゃんの姿が見えない。

掃除機もろとも姿がない。

美咲さんは、室内に入り、洗面所やトイレなど見て回る。

しかし、サキちゃんの姿がないのだ。

部屋と外との出入り口は1つだけ。

その出入り口のすぐ外には、美咲さんが居たのだ。

サキちゃんが、この部屋の外に出たとは考えにくい。

必死で探すのだが、サキちゃんの姿は忽然と消えてしまっていた。

なに??

どういうこと?!?!

少しパニック気味になった美咲さんは、すぐに部屋を出てオーナーの元に向かった。

もしかすると、自分は大変なことをしてしまったのではなかろうか?

そんな気持ちが少なからず、芽生え始めていた。

オーナーを見つけると、今あった話をすべて聞かせた。

話を聞くたびに、顔面蒼白になっていくオーナー。。。。

最後には、少し震えてすらいた。

そして、搾り出すかのように呻いた。

「・・・・・・な、なんていうことだ・・・・・・・」

怖い、怖い!

いったい、どういうことなの?!

美咲さんとオーナーは、すぐに、×××号室に向かい扉を開ける。

そして、オーナーは

「いい?今度は、絶対に扉を閉めてはいけないよ。俺が中を見てくるから、君はここで待っていて!」

怒ったようにそう言うと、オーナーは、×××号室の中に入り、ひたすらサキちゃんを探して回った。

でも、サキちゃんは発見できず。

完全に、失踪してしまったのだった。


その後、警察は来るわ、美咲さんは事情聴取されるわで、大変なことになった。


でも、いろいろ調べた結果、なぜだか事件性はないという警察の判断から、サキちゃんの失踪は家出のような扱いになってしまったのだとか。


それから、数年経過した今でも、サキちゃんは発見されていないのだいう。


美咲さんは、涙ながらにこの話を話してくれた。


このホテルは未だに、運営しているのだとか。



リゾートバイトというシチュエーションが非常にリアルで、とても怖い話だ・・・・


リゾートバイトの怖い話「失踪」>終わり

引っ越しました:リゾートバイトの怖い話「失踪」2

2013年8月23日金曜日

放課後の教室に忘れ物を取りに行った

怖い話・放課後の教室に忘れ物を取りに行った

これは、俺が実際に体験した怖い話なんだけど、誰にも信じてもらえない。

中学校のころ、どうしても必要な大事なプリントを学校に忘れてきてしまった。

もう時間は、7時。

放課後というよりも、夜という言い方のほうが的確かもしれない。

どうしよう。

一人で暗い学校の教室に取りに行くのも怖いけど、プリントが今手元にないのもマズイ・・・・

恐怖心と戦いながらも、俺は教室に戻ることにした。

学校に着くと、なんとも不気味な雰囲気だ。

一応、警備さんに一声かけてから教室に向かう。

廊下も真っ暗で、照明は「非常口」の明かりのみ。

こんなこともあろうかと、懐中電灯を持ってきていたが、まさかこんなに暗いとは思わずに、豆電球でオモチャような懐中電灯を持ってきてしまった。

くそ、これじゃよけいに雰囲気が増幅して怖い気がする。

まあ、ないよりはましか・・・・

やっと、教室にたどり着く。

俺は、手に持ったオモチャみたいな懐中電灯を頼りに、自分の机の中からプリントを取り出した。

あったあった。

すぐにカバンにしまった。

と、そのとき・・・・

教室の窓側から人の気配を感じた。

懐中電灯で照らして見ると、誰かが窓際の1つの席に座っているようだった。

「誰?」

思わず、大きな声で尋ねた。

クラスメイトだと思ったのだ。

でも、よくよく考えるとクラスメイトなわけがない。

こんなくらい教室に一人で座っている奴なんて、どう考えても普通じゃない気がする。

「誰?」という問いかけに、返事もない。

俺は、怖さのあまりその人影に近づいてしまった。

自分でもなぜ近づいたのか、分からない。

近づいてみると、窓際の席に座っていたのは、小学生くらいの男の子だった。

なんで、小学生?

ここは中学校だぞ・・・・

俺は、話しかけていいのかどうか迷いながら、

「君、ここで何してるの?」

と声をかけた。

すると、その男の子は俺の声に反応してこちらを向こうとした。

だが、その子が首を動かしたとたん、その子の首が

ゴロン

と取れて、教室の床を転がった・・・・・


俺は、


「うわぁああぁぁああぁあっぁーーーー!!」



と大声を出して、その場から逃げ出した。


とにかく走った。


暗闇の廊下で何度も転んだが、今は痛くもなんともない。


とにかく、逃げないとやばい気がした。


とんでもないものを見てしまった。


気がつくと、俺は校舎の外まで逃げ出していた。


そして、震えながら家に帰った。


もう、最悪の日となってしまった。


あんな怖い思いをしたことは生まれて初めてだった・・・・・


怖い話系にありがちな、後日談はこの話にない。


俺が忘れ物を取りに行った放課後の教室で見た、あの少年は幽霊だったのだろうか?


今でも、あのゴロンっと転がった首が脳裏に焼きついてしまっている。


本当に怖い経験だった。


「怖い話・放課後の教室に忘れ物を取りに行った」終わり

引っ越しました:放課後の教室に忘れ物を取りに行った

2013年8月20日火曜日

リゾートバイトの怖い話「失踪」

リゾートバイトの怖い話「失踪」

これは、実話の怖い話である。

また、事実によるものなので名前は仮名を使用していることをご了承いただきたい。

美咲さんは、冬場に某スキー場のリゾートバイトに応募し、見事採用される。

友達との応募ではなく、一人で行った彼女は少し不安でもあったが、その不安はすぐに払拭される。

サキちゃんという同じ年の友達がすぐにできたのだ。

家こそ遠いものの、趣味も話も合うサキちゃんと、美咲さんは昔からの親友のように仲良くなれた。

また、リゾートバイト先のホテルは、バイト同士の仲も良く、雇い主のオーナーも良い人でとても楽しい時間だった。

仲良しの友達もできて、居心地も良いものだから、ずっとここに居たいくらいの気持にさえなっていた。

ただ、このバイトには、1点だけ気になることがあったのだ。

美咲さんもサキちゃんも、ホテルの客室係をやっていたのだが、どんなに混雑していても1部屋だけ絶対に使わない部屋が、そのホテルにはあったのだ。

最初は、部屋を物置など何か別の目的で使っているのかな、と思ったそうなのだがそんなことはない。

中を覗いても、いたって普通の部屋なのだ。

おかしなところはない。

「混雑時に、この部屋を使わないのはもったいない。」

美咲さんはそう思っていた。

そんな、ある日のこと。

ベテランの客室係りの人が、急遽2人も辞めることになった。

理由は良く分からない。

そして、そのことが関係しているのか、バイトのオーナーに美咲さんと、サキちゃんは部屋に呼び出されたのだった。

なぜ呼ばれたのか分からずに、二人がオーナーのもとに行ってみると、おかしな相談をされた。

「あのさ、美咲ちゃんとサキちゃんって仲良いよね?でさ、二人にお願いがあるんだよね。」

「はい、なんでしょう?」

サキちゃんが笑顔で答える。

「あのね。×××号室あるよね?」

×××号室とは、例の使われていない部屋のことだ。

オーナーは続ける。

「あの部屋の清掃を二人に担当してもらいたいんだ。特別謝礼出すからさ。そうだな、1人1日2千円上乗せするけどどうだろう?もちろん、バイト代も普通に出すからさ。」

え?

1部屋清掃するだけで、1日2千円上乗せ?

意味が分からないけど、話を聞いた二人にはありがたい提案に聞こえた。

「でも。。。。」

オーナーはさらに続けた。

「約束してほしいことがあるんだ。×××号室には、一人で絶対に入らないこと。それに、必ず10分以内に部屋から出ること。清掃は一人で行って、もう一人はドアを開けて待っていること。使われていない部屋だし、毎日掃除しているわけだから10分以内での清掃も楽勝でしょ?」

オーナーが意図することがまったく伝わってこないけれど、正直1日2千円の上乗せは有難い。

二人は、この提案を二つ返事で承諾してしまったのだった。

これが恐怖への入り口だとは知らずに・・・・


続き→リゾートバイトの怖い話「失踪」2

引っ越しました:リゾートバイトの怖い話「失踪」

2013年8月19日月曜日

泥棒なのか?モンスターなのか?

ホラー体験・泥棒なのか?モンスターなのか?

これは、Aさんが実際に体験したホラー体験。

一人暮らしのAさんの家は、アパートと呼ぶよりは少しグレードが高く、マンションと呼ぶには少しだけ物足りないかのような集合住宅だった。

建物は6階建てで、住まいは4階。

ある日のこと。

Aさんが仕事から帰ろうと、自宅に向かって歩いていた。

ちょうど、自宅の目の前まで来たときに、誰かが自分に家のベランダ付近にいるのが見えた。

一瞬、お隣さんがベランダで何かを干しているのかと思ったらしい。

でも、時刻は夜中。

洗濯物などを干すにしては、あまりに遅い。

なんだ?

あんなところで何をやってるんだ?

あっ。

真っ先に思い浮かべねばならない思考に、やっとたどり着いた。

あれは、泥棒かも!

泥棒が、うちのベランダに侵入しようとしているのかも。。。

そう思ったAさんは、もうダッシュで階段を駆け上がる。

息切れをしながら、やっとのことで自宅前まできて、鍵を取り出した。

正直言うと怖かった。

家の中に知らない人がいて、グサリと包丁か何かで刺されでもしたらと思うと、ドアを開けるのをためらってしまう。

かといって、現段階の未確認な情報で警察に通報するのも気が退けた。

警察を呼ぶのなら、さっきの人影が泥棒だと確信できてからだ。

そう思い、勇気を振り絞って自宅の扉を開くAさん。

ドアを開けてみると、普段と同じく部屋は真っ暗。

変わりはない。

恐る恐る、電気をつけ部屋を明るくする。

誰かいないか?

とりあえず、ざっとトイレやら洗面所やらと泥棒を探してみるが、誰もいない。

続いて、怖くて気が退けるのだが、ベランダの方向へ足を運ばせた。

恐々カーテンを開けてみる。

外は暗くて良く見えないので、窓に顔を貼り付けるように外を見ると・・・・

そこには、いたのだ!

得体の知れない、モンスターのような風貌の生き物が、ベランダにいたのだ。

大きさは、人間と変わらないくらいなのだが、顔や身体が昆虫のアリのようだった。。。

びっくりして、腰を抜かし尻餅をつき、悲鳴を上げるAさん。

その悲鳴を聞いて、モンスターのような生き物は、部屋のほうをバッと向いた。

もう、Aさんは大絶叫!

その大声に驚いたのか、モンスターはベランダから飛び降りたのだ。

4階のベランダから・・・・


怖くてしばらく動けなかったAさんは、10分ほどしてようやく立ち上がり、台所から包丁を持ってくると、ベランダのガラス戸を開けてみた。

誰もいない。

恐怖に駆られながらも、ベランダから下を見てみる。

暗くて良く見えないが、何もなさそうだった。

下に人だかりもできていない。

さっきのモンスター、この高さから飛び降りて、死んでいないのか?

それとも、さっき見たものは、暗さと恐怖心からくる幻覚だったのだろうか?

正直、さっきのものが現実だという確信が持てない。


Aさんは、納得がいかないまま、部屋に戻ることにした。

そして、ふとガラス戸をあけようと、ガラス部分を見ると。。。

そこには、Aさんのものではない手形がついていたのだ。


なぜ、それがAさんの手形ではないと言い切れるのか???


その手形には、指が3本しかなかったのだ。




これは、Aさんが経験した事実のホラー体験だ。


「ホラー体験・泥棒なのか?モンスターなのか?」終わり

引っ越しました:泥棒なのか?モンスターなのか?

2013年8月18日日曜日

呪われた洋館とフランス人形

怖い話の実話・呪われた洋館とフランス人形

これは昔、先輩に聞いた怖い話の実話です。

先輩と言うのは、いわゆるヤンチャ系の人で、かなり悪いことばかりしていた人。

一言で言えばヤンキーですね。

その先輩、仮にAさんとしましょう。

Aさんは10代のころ、友達集めて肝試しに行ったそうです。

行った先は有名な心霊スポットと言うわけではなく、たまたま見つけた人の住んでいない古びた洋館。

大通りに面した道から遠くに見えていたその洋館は、見るからに幽霊屋敷といった感じでとても怖い雰囲気のある場所でした。

先輩たちは、バイクや車でその場に乗りつけ、半ばその屋敷に強引に侵入し、好き勝手に荒らして回ったそうです。

やりたい放題だったらしく、物壊したり、叫んだり。

「おーい、幽霊さんよー。出てこれるもんなんら出て来いよ。」

「俺とタイマン張ろうぜ。」

など、好き勝手なことも言っていたのだとか。


そのまま、洋館内では何事も起こらず、「なんだ、何も起こらなかったな。」と、外に出てきたそうなのですが。

車で来たAさんの友人の一人が、自分の停めてある車を見て叫んだそうです。

「おい、誰だよ?こんないたずらした奴?」

その声で、皆が見てみると。。。。

その車の助手席に、フランス人形がチョコンと座っていたのでした。


もちろん、車はロックされていました。


だから、悪戯なわけないのです。


さっきまでの威勢はどこへやら、ほとんどのメンバーが顔色を変え、

「これ、普通にヤバくね?」

と言っていた中。


一人だけ、

「面白いじゃん。おい、かかって来いよ。幽霊さんよ。」

と叫んだ人がいたそうです。

Aさんを含め、フランス人形を見た瞬間から、洋館の主に心の中で謝罪したそうなのですが、その一人の人だけがやけに強気。。。。

Aさんは、その人の行動を見て嫌な予感がしたそうです。

フランス人形が助手席に座っていたと言うことは、まずは警告ではないかと。

これ以上、挑発するようなら容赦はしない、と先輩には思えたそうなのです。

不思議なことに、そこに来ていたほとんどのメンバーが、同じように解釈したらしく、心の中で謝罪したわけです。


でも、挑発してしまった一人。


案の定彼は、1ヵ月後、派手なバイク事故を起こし、左手に一生残るような後遺症を抱えてしまいました。

そのときに、Aさんが言いに行ったそうです。

「今からでも遅くないから、一言心から謝罪しろ。」

と。

事故を起こした人は、その場ですぐに洋館の主に謝罪したのだとか。

というのも、なぜ事故を起こしたのかと言えば、急に空からフランス人形が降ってきたのだと言います。

そんなことありえるでしょうか?


バイクを運転していたら、空からフランス人形が降って来て、それを避けようとしてスリップ・・・・


Aさんは最後に言っていました。


「人はヤンチャしてもいいけど、最後の一線。人としての心を失ったらだめなのかもな。」


と。


これは、先輩が呪われた洋館への肝試しをしたときの、実話の怖い話です。


「怖い話の実話・呪われた洋館とフランス人形」終わり

引っ越しました:呪われた洋館とフランス人形

2013年8月17日土曜日

文化祭と怪談百物語

文化祭と怪談百物語
 
これは高校時代に体験した、怖い話の実話だ。
 
当時男子校に通っていた俺。
 
基本的に男子校というのは、女子との出会いや接点というのはほとんどなく、文化祭は他校の生徒が来てくれるので有難い行事だった。
 
で、うちのクラスは出し物なにをやろうかということになったのだが、やっぱ女ウケを狙いたい(笑)
 
そこで、幽霊系とか怖い話なら他校の女子たちも「キャー」とか言って、盛り上がるのではないかという安易な発想から、うちのクラスの出し物は「怪談百物語」ということに決定した。
 
本当は、お寺みたいな場所を借りて本格的にやりたいところだけれど、そこは高校の文化祭。
 
怪談はすべて教室で行い、それをビデオ録画するということになった。
 
ビデオで録画したものを、当日に流すのだ。
 
これで盛り上がるかどうかは別にして、高校の文化祭のスケールなんてこんなものでしょ(笑)
 
ある日の放課後。
 
使っていない教室にクラスのメンバーが集まって、部屋の電気を暗くし、ろうそくの炎だけで怪談を話していく。
 
一番苦労したのは、演出のための教室の暗さだ。

教室というのは窓が多く、なかなか暗くならない。

窓に新聞紙貼ったり、カーテン閉めたりして、撮影できるぎりぎりまで暗くする。

その上で、ろうそくの炎に火を灯した。

すると、それなりに雰囲気も出るものだ。

皆で、床に直に座り円になる。

そして、一人一人、各自持ち寄った怪談を話していく。

怖い話を話すのが上手い奴や下手な奴といろいろいて面白い。

で、途中。

怖い話が大好きな男、田中の番になった。

怪談フリークだけあって、話がとても上手く、皆惹きこまれた。

これぞ百物語、といった感じ・・・・

と、そのとき。

突然、話を聞いていた山根が「ヴエェッー」とえづくような気持ち悪い声をあげた。

皆がいっせいに山根のほうを見ると、ゲロを床に吹き出してしまっている。

「なにやってんだよ?」

「汚っねえな!」

「俺にもかかったじゃねーかよ!」

と、皆山根を責め立てる。

百物語の録画は一時停止。

皆に責められて、山根は泣きそうになりながらも、「誰かに首を絞められたんだ」とわけのわからない事を言っている。

誰も首なんか絞めるわけがない。

第一、この教室にいる全員が輪になって座っているのだ。

誰も山根の背後になんて行っていない。

それでも「首を絞められた」と主張する山根をフォローするために、録画したビデオを確認してみる事にした。

ビデオは2つまわしていたのだ。

話している人間を映す用の物と、クラス全体を映す用の物を。

早速、ビデオを確認。

皆で小さな液晶を覗き込む。

問題の場所はこの辺りか。。。。

次の瞬間、その場でビデオを覗き込んでいた全員の背筋が凍りついた。


映っていたのだ・・・・


誰もいないはずの、山根の背後から青白い手が伸び・・・・首を絞めているところが・・・・・・・・


山根は、このビデオを見た直後に泣き出してしまっていた。。。


正真正銘の心霊映像が撮れてしまった。


しかも、首を絞めるだなんて悪意に満ちた霊だ。


素人判断だが、これは霊からの何かしらの警告とみなし、俺たちはその年、怪談百物語をやるのを中止した。



これは、俺が高校のときに体験した実話の怖い話だ。



「文化祭と怪談百物語」終わり


引っ越しました:文化祭で怪談百物語

2013年8月16日金曜日

リアルな人間の恐怖「誘拐」

リアルな人間の怖い話・恐怖「誘拐」

小学校の1年生の田所ユウスケくん。

ユウスケくんは、ある日、学校から一人で帰っていました。

すると、知らないおじさんが焦った様子で話かけてきたのです。

「きみ、田所くん?今ね、きみのお母さんが、交通事故で病院に運ばれたんだ。すぐに行かないと、もう会えなくなっちゃうかもしれないよ!」

ユウスケくんは、それを聞いて驚きと悲しみを味わいました。

お母さんに会えなくなる?!

そんなの嫌だ。

だから、おじさんの車でお母さんの入院している病院に向かったのです。

20分ほど、車で走ったでしょうか?

ユウスケくんは聞きます。

「ねえ、病院にはまだ着かないの?」

「うん、もうちょっとだよ。」

それから、また10分後に聞きました。

「お母さんのところにはまだ着かないの?」

「うん、もうちょっと。」

話しかけるたびに、だんだん口数の少なくなってくるおじさん。

小学生ながら、ユウスケくんはその状況に違和感を感じました。

そして、思い出したのです。

大人のいつも言っていた、「誘拐には気をつけてね」の言葉を・・・・

ユウスケくんは、今「車から、降りたい。」と言ってもきっと降ろしてもらえないだろうと、薄々感じています。

彼は、ある種ちょっと頭のキレる面を持った子供だったのかもしれません。

ユウスケくんは、おじさんにこう言ったのです。

「おじさん、おしっこ漏れちゃう!」

「おしっこ?もうちょっとだけ我慢してくれよ。」

「ダメダメ漏れちゃう。あああーーーー。」

といって、本当に少しだけ車内で、ズボンもパンツも下ろさず、おしっこをしてしまいました。

それを見たおじさんは、焦りだし、

「ちょっと待てよ。今、車停めるから。。」

おじさんは、近くのコンビニに停車させ、

「ほら、行ってきな。すぐ戻ってくるんだよ。」

と、ユウスケくんをトイレに行かせました。

彼は、そのままコンビニの店員さんに助けを求め、店員はすぐに警察へ通報。

誘拐されずに、済んだのです。

もちろん、お母さんが事故にあったと言うのはすべてでたらめ。

お母さんは、家で元気に夕飯の支度をしていたそうです。

ユウスケくんは、機転を利かせたある意味とても賢い子だから助かりましたが、普段から大人がしっかりと「知らない人にはついて行っては行けない」と教育しないといけませんね。


子供だったころのあなたなら、こうして機転を利かせられましたか・・・・?

もしも、機転を利かせられなかったら、今頃は・・・・・・・・


誘拐とは、とてもリアルな怖い話ですね。


<リアルな人間の怖い話・恐怖「誘拐」>終わり

引っ越しました:誘拐

2013年8月15日木曜日

アパートのベランダに女の幽霊が

アパートのベランダに女の幽霊が

A雄さんが、小学生のころの話に体験した怖い話。

ある日の放課後、A雄少年は、友達Bのアパートに、友達Cくんと共に出かけた。

3人は小学校の同級生で、その日ファミコンをして遊ぶ約束をしていたのだ。

Cくんには、霊感があるらしくアパートの前まで来ると、

「オレ、ここには入りたくない・・・・」

と言い出した。

A雄くんには、霊感などないからCくんの言っている意味がわからなかったらしく、

「お前なに言ってんの?」

と、Cくんの意見などお構いなくBくんのアパートへと入っていった。

しぶしぶ付いてきたCくんだが、中に入ると様子がおかしい。

ずっと下を向き震えているのだ。

「なに?お前どうしたの?具合悪いの?」

と尋ねても、首を振るだけのCくん。

A雄くんと、Bくんは、もう気にすることなくファミコンをしていたのだが。。。。

突然、Cくんが声を出した。

「あ・・・あ・・・・見てる・・・・女の人が・・・・こっちを見てるよ・・・・・」

と怯えている。

最初こそ、そんな様子のCくんを鼻で笑っていた二人だったが、あまりに真に迫る怯え方をしているものだから、だんだん二人も怖くなってきてしまった。

「なあ、こっち見てるって、どこから見てるの?女の人ってなに?」

と聞くと、Cくんは下を向き震えながら答えた。

「女の人だ・・・・・見てるんだ。。。。。」

とつぶやくばかり。

「それじゃわからねえよ。詳しく話せよ。」

と、怖くなっていた二人はCくんを問いただす。

すると彼は、「じゃあ、何を見ても驚かないでね」と念を押した上で次のように言った。

「僕の肩に手を置いて・・・・それで、目をつぶって10秒数えたら、目を開けて・・・・そのまま、僕の肩から手を離さずに、ベランダのほうを見て・・・・・そうしたら、たぶん二人にも見えると思う。。。。」

それを聞いた、A雄くんとBくんは、言われたとおりにCくんの肩に手を置き、目を閉じて10秒数えた。

そして、目を開きベランダのほうに目を向けてみた。

すると・・・・

二人にも見えてしまった。

頭から血を流した女が窓からこっちをジッと見ていたのだ。

その瞬間、3人はそのアパートから逃げ出した。

あんな恐ろしいもの、初めて見た・・・・

外に出てから、

「さっきはごめんね。」

とCくんに対して謝った二人。

しばらく、足の震えがおさまらなかったという。

その後、Bくんは両親に頼んでアパートのお払いをしてもらったそうだ。

大人になった今でも、A雄さんはこのことを思い出すと背筋がゾッとするのだとか。

もしかすると、あなたの家のベランダからも・・・・?

「アパートのベランダに女の幽霊が」終わり

引っ越しました:アパートのベランダ